アントレ学生スタッフが2025年度プログラム参加者に、本プログラムの魅力を聞きました!

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インタビュイー:田口郁子さん(法学部2年) インタビュワー:高橋幹成(工学部機械知能航空学科3年)

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ーはじめに自己紹介をお願いします。  法学部2年の田口郁子です。法学部の自主ゼミで普段は地方自治や国際政治の2本の柱を色々勉強してます。

ー参加のきっかけを教えてください。  **去年参加した先輩から“本当に良かったよ”と聞いて興味を持ったのが最初です。**あとは、私自身が普段勉強している分野と繋がりがあるんじゃないかと感じていました。宮城県庁の方とお話しした時、『マイナポイントやマイナンバーを使って一元管理したいけど、なかなかうまくいかない』という現場の悩みを聞いたことがありました。そうした課題に対して、エストニアの仕組みがどんな風に機能しているのかを見てみたいと思ったんです。  また、エストニアは地理的にロシアと隣接していて、“西側と東側の狭間にある国”として注目されている場所なんです。サイバー防衛や電子政府の取り組みが、単なる技術ではなく、国のあり方や理念と結びついている点がとても興味深いと思いました。

ープログラムでなにが一番印象に残りましたか?   エストニアで印象に残ったのは、**仕組みを作ること自体よりも、それを国民がちゃんと受け入れて使っていることでした。**日本では情報を一つにまとめるような話をすると、世論が反発しそうだなと思うんですけど、エストニアでは「便利だし、国として必要なことだよね」と自然に受け入れられていて、それがすごいなと思いました。技術的なことももちろんすごいんだと思うんですけど、それが社会全体に広がっていって、高齢の人たちも講習会などを通して使えるようになっていると聞いて驚きました。日本だと授業で話していても、どうしても目先の業務の効率化とか使いやすさみたいなところで終わってしまって、「便利って言われても、覚えるのが大変だよ」となりがちです。でもエストニアでは、もっと国の考え方としてやっている感じがして、「民主主義を守るためには情報をきちんと公開して、誰もが制度にアクセスできることが大事」というところから話が始まっているのが印象的でした。**目の前の便利さだけを考えていても社会は変わらなくて、もう少し大きな考え方の中で「なぜ必要なのか」を示しているのがすごいなと思いました。**それにはやっぱり、国の位置や安全保障など、地理的な事情も関係しているんだろうなと感じて、日本とは違う背景を実感しました。

ー帰国後自分の考え方は何か変わったりしました?   **自分の今学んでることとのつながりは少なからずありました。**エストニアでの学びを通して感じたのは、デジタル化や政策というのは単なる効率化のための技術論ではなく、大きな理念と深く結びついたものだということでした。私はこれまで、地方政治と国際政治の両方に関心を持ちながらも、地方では自治体の具体的な事例を、国際政治ではリアリズムやリベラリズムといった抽象的な理論を扱うという形で、二つの関心がなかなかつながらないと感じていました。しかしエストニアでは、教授たちがどんなテーマでもまず「民主主義のためには」という理念から語り、その上で個別の政策や制度に落とし込んでいく姿を目の当たりにし、理念と実践の間には本来明確なつながりがあるのだと気づきました。

ーこれからこのプログラムに参加したい人に伝えたいこととかアドバイスはありますか?   去年もこのプログラムの存在は知っていたんですが、そのときは「自分には関係ないかな」と思っていました。私は文系の人間で、理系と文系をつなぐような分野に進むつもりもなかったし、「デジタル社会」と聞いても、自分とは縁のない話だと思っていたんです。でも、まわりの友だちのすすめで参加してみたら、意外と自分の分野にも関わることがたくさんあって驚きました。デジタル化って聞くと理系の技術的な話に思えますが、実際は文化や歴史、社会の仕組みなど、文系的な視点とも深くつながっているんですよね。だから今は、「自分の関心とは違うかも」と切り捨てずに、気になったことには一歩踏み出してみるのが大事だなと思っています。


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参加者インタビュー2【2025年派遣】

グループワークを共にしたメンバー

グループワークを共にしたメンバー

グループディスカッションの様子

グループディスカッションの様子